「綺麗!!」


少し上がっただけで夜景は姿をあらわした。


純大は煌めく夜景に東京タワーの時と同じように、窓にべったりはりついて目を輝かせてる。


(かわいいな~フフッ)


その光景に癒されていると
振り返った彼が嬉しそうに手招きをしている。



「こっちおいでよ。」


向かいに座っていた私を横に座らせ、そっと引き寄せた。


「ん。」


そのまま首に手を当てると
少し深く唇を寄せた。


酸素が薄い小さな箱の中で、彼は私の酸素を奪う。


「ハァ…」


ふと唇を離すと純大はちらりと外を見た。


「頂上だ…」


一周16分。
残りはあと8分。


夜景の美しさも
胸の高鳴りも最高潮だ。