金曜の夜は呑みに行く人の方が多いのか。
閉店間際だからか。
八丈島先輩の店には、もう誰もいなかった。
先輩はもう片付けはじめていたようで、入ってきた私を見、
「なんだ、志麻。
オーダーストップギリギリだぞ」
と言ってくる。
すぐに此処に来る勇気がなかったので、意味もなく書店などをウロウロしていて、こんな時間になってしまったのだ。
「す、すみません。
じゃあ、また来ます」
と思わず言ったが、じっと私の顔を見たあとで先輩は、
「……いや、せっかく来たんだから、なにか頼んで帰れ」
といつも通りの淡々とした口調で言ってきた。



