「……治ってしまった」
と社食の列で呟き、

「何故、うろたえる」
と後ろに並ぶ巳波に言われた。

「いやいや。
 なんだかんだで、あと一、二週間はかかると思ってたのよ」

 心の準備が……と言って、前にいる眉墨に、

「じゃあ、別に今、告白しなくてたっていいじゃない。
 ニキビ治ったら告白って、所詮、あんたが作った、ただの自分ルールでしょ」
と冷静に言われてしまう。

「うーん。
 そうなんだけど。

 でも、なにか切っかけがないと踏ん切りつかないし。
 早くしないと、またすぐ次のニキビができるかもしれないしさ」

「そうねえ。
 次はもっとマヌケな位置にできるかもしれないわよね」

 ……いや、これ以上、マヌケな位置って何処なんだ。