「オレの噂話をしてるのは君たちか?」


龍幻(りゅうげん)壱流(いちる)の部下たちに近寄った。


白銀(はくぎん)龍幻(りゅうげん) 、21歳。


彼は学生でありながら、日々紅い月(ブラッドムーン)の研究をしている一人。

今では、たった一人で紅い月(ブラッドムーン)を完成させることが出来る。そのため天才研究者として、その界隈で龍幻(りゅうげん)の名前を知らない者はいない。


龍幻(りゅうげん)の場合、紅い月(ブラッドムーン)は悪用するために作っているのではない。紅い月(ブラッドムーン)を接種した者を少しでも吸血鬼として生きさせるため。


そして、壱流(いちる)の唯一無二の親友だ。龍幻(りゅうげん)はただの人間だが、ある日吸血鬼に襲われそうになった。その危機を救ったのが壱流(いちる)というわけだ。

それからというもの、壱流(いちる)の隣で彼の心のケアをしながら自らの血を提供している。