「子どもの頃は妹みたいに思っていた。でも、里花が中学に上がる頃には女性として見ていた。叶うならいつか妻にと思っていた」
「私みたいな……子どもっぽい女をですか?」
「俺からしたら今も昔も変わらず可愛い女性だよ」
優しい愛の言葉が面映ゆい。だけど、嬉しくてたまらない。私だってずっとずっと奏士さんが好きだった。
「里花、俺はもう間違えたくないんだ。離婚が成立したら、俺の妻になってほしい」
「奏士さん、私は」
「それとも、今、里花の目に見える気持ちは俺の都合のいい勘違いか? 里花にとっては、兄のままか?」
私は胸を押さえた。
この愛に気づかれている。由朗が言ったせいじゃない。私の視線や声色、すべてが奏士さんを好きだと語っているのだろう。
観念して、私はうつむきがちに言った。
「私も……私も奏士さんが好きです。子どもの頃から大好きです。ひとりの男性としてお慕いしています」
中学生で諦めた気持ちをこうして伝える機会に恵まれるとは思わなかった。
だけど、あの頃何も知らなかった私と今の私では大きく違う。
「郷地京太と離婚が成立したら、私はバツイチです。離婚歴のある女が三栖家に入るのは……」
「そんなことを気にするのは一部の連中だけだ。うちの家族は他ならぬ里花なら誰も文句なんて言わないよ」
奏士さんはそう言ってくれるけれど、三栖家の親戚筋はきっとうるさく言うに違いない。それは今まさに新たな船で漕ぎ出したばかりの奏士さんにはマイナスなのではないだろうか。
「私みたいな……子どもっぽい女をですか?」
「俺からしたら今も昔も変わらず可愛い女性だよ」
優しい愛の言葉が面映ゆい。だけど、嬉しくてたまらない。私だってずっとずっと奏士さんが好きだった。
「里花、俺はもう間違えたくないんだ。離婚が成立したら、俺の妻になってほしい」
「奏士さん、私は」
「それとも、今、里花の目に見える気持ちは俺の都合のいい勘違いか? 里花にとっては、兄のままか?」
私は胸を押さえた。
この愛に気づかれている。由朗が言ったせいじゃない。私の視線や声色、すべてが奏士さんを好きだと語っているのだろう。
観念して、私はうつむきがちに言った。
「私も……私も奏士さんが好きです。子どもの頃から大好きです。ひとりの男性としてお慕いしています」
中学生で諦めた気持ちをこうして伝える機会に恵まれるとは思わなかった。
だけど、あの頃何も知らなかった私と今の私では大きく違う。
「郷地京太と離婚が成立したら、私はバツイチです。離婚歴のある女が三栖家に入るのは……」
「そんなことを気にするのは一部の連中だけだ。うちの家族は他ならぬ里花なら誰も文句なんて言わないよ」
奏士さんはそう言ってくれるけれど、三栖家の親戚筋はきっとうるさく言うに違いない。それは今まさに新たな船で漕ぎ出したばかりの奏士さんにはマイナスなのではないだろうか。



