奏士さんの手には手持ち花火のパックがある。ここに来る途中に買ってきたのかしら。奏士さんと功輔さんがこの花火を買っているところを想像したら、少し面白い。
「あらあら、それだったら中庭ですればいいわ。私たちは、リビングにいますし」
リビングを開け放てば縁側があるのだ。その先は今日私と母が手入れした中庭である。それなりに広いし、隣家とは木立が遮蔽物になるので煙などの迷惑もかかりづらいだろう。
門司弁護士は先に帰り、沙織さんと功輔さん、由朗が率先して花火をし始めた。私と奏士さんはまず中庭を散歩することにした。三人から私と奏士さんは見えるので、一応監視付きという格好だ。
「あいつら、みんな二十代の大人なのにはしゃいでるなあ」
「私と沙織さんと功輔さんが同い年、由朗がひとつ下ですものね」
奏士さんが花火をする三人を見やり、おかしそうに笑った。三人は私たちを視界に入れつつも、手持ち花火に夢中だ。由朗と門司姉弟がしっかり会話するのも今が初めてだろうけれど、すでに打ち解けて楽しそうにしている。
「由朗、私が思うよりずっとしっかりしています。宮成の実家に帰らない理由は由朗のこともありましたけど、そんな心配は不要でしたね」
「ああ、由朗の体調面の心配をしている連中がいるんだろう。病気は完治しているって聞いているけど」
「あらあら、それだったら中庭ですればいいわ。私たちは、リビングにいますし」
リビングを開け放てば縁側があるのだ。その先は今日私と母が手入れした中庭である。それなりに広いし、隣家とは木立が遮蔽物になるので煙などの迷惑もかかりづらいだろう。
門司弁護士は先に帰り、沙織さんと功輔さん、由朗が率先して花火をし始めた。私と奏士さんはまず中庭を散歩することにした。三人から私と奏士さんは見えるので、一応監視付きという格好だ。
「あいつら、みんな二十代の大人なのにはしゃいでるなあ」
「私と沙織さんと功輔さんが同い年、由朗がひとつ下ですものね」
奏士さんが花火をする三人を見やり、おかしそうに笑った。三人は私たちを視界に入れつつも、手持ち花火に夢中だ。由朗と門司姉弟がしっかり会話するのも今が初めてだろうけれど、すでに打ち解けて楽しそうにしている。
「由朗、私が思うよりずっとしっかりしています。宮成の実家に帰らない理由は由朗のこともありましたけど、そんな心配は不要でしたね」
「ああ、由朗の体調面の心配をしている連中がいるんだろう。病気は完治しているって聞いているけど」



