「私、実は今日がなんのパーティーかもよくわかってなくて」
由朗がじろりと京太を見た。そんなことも教えていないのか、という表情だ。
「三栖の新会社の設立記念パーティーだよ。三栖ビジネスソリューションズっていって、奏士くんはそこのトップに就いたんだ。会社自体は先々月くらいからもう稼働してるけどね」
私の脳裏に、あの晩かくまってもらった立派なオフィスが思い浮かぶ。そういえば名前も聞いた。
つまりは今日のパーティーの主役は奏士さんということだ。本人はちょっとした、なんて言い方をしていたけれど、設立記念パーティーならこの招待客の歴々とした様も頷ける。
「海外グループの仕事もまだ一部やってるから、すごく忙しいみたいだけどね。今後は国内で三栖のIT関連部門を担うって。宮成商事もかなり関わってくるよ。部署を新設するし」
「そうなのね。由朗も忙しくなるじゃない」
「あまり忙しくなったら、姉さんに戻ってきてもらおうかな」
由朗はそう言って京太を見やる。
「ねえ、義兄さん。姉さんが暇しているなら、実家を手伝ってもいいでしょう? 姉さん、こう見えて仕事できるんですよ」
京太は一瞬わかりやすく顔をしかめた。こういうところが、本当に下品だと思う。私や由朗が嫌いなのは伝わっているけれど、子どものように嫌悪を丸出しにするなんて。
由朗がじろりと京太を見た。そんなことも教えていないのか、という表情だ。
「三栖の新会社の設立記念パーティーだよ。三栖ビジネスソリューションズっていって、奏士くんはそこのトップに就いたんだ。会社自体は先々月くらいからもう稼働してるけどね」
私の脳裏に、あの晩かくまってもらった立派なオフィスが思い浮かぶ。そういえば名前も聞いた。
つまりは今日のパーティーの主役は奏士さんということだ。本人はちょっとした、なんて言い方をしていたけれど、設立記念パーティーならこの招待客の歴々とした様も頷ける。
「海外グループの仕事もまだ一部やってるから、すごく忙しいみたいだけどね。今後は国内で三栖のIT関連部門を担うって。宮成商事もかなり関わってくるよ。部署を新設するし」
「そうなのね。由朗も忙しくなるじゃない」
「あまり忙しくなったら、姉さんに戻ってきてもらおうかな」
由朗はそう言って京太を見やる。
「ねえ、義兄さん。姉さんが暇しているなら、実家を手伝ってもいいでしょう? 姉さん、こう見えて仕事できるんですよ」
京太は一瞬わかりやすく顔をしかめた。こういうところが、本当に下品だと思う。私や由朗が嫌いなのは伝わっているけれど、子どものように嫌悪を丸出しにするなんて。



