記事は憶測だ。だって、奏士さんとマノンが出会ってすぐ交際を始めたなんて事実はない。奏士さんを信じている。
だから、この婚約というニュース自体、信憑性が低いのではないだろうか。
だけど、こうしてはいられないのも確かだ。
私は奏士さんの心を繋ぎとめなければならない。受け身でいては駄目だ。自立するより、社会人としてのスキルを磨くより、自分の気持ちを正直に伝え訴えることの方が何倍も大事なことだ。
【こんな知らせ送っておいてなんだけど、きっとデマだから気にしない方がいい。奏士くんは姉さんのことが好きだよ】
由朗から励ますメッセージが届く。私は由朗にメッセージを返した。
【奏士さんのアメリカの事務所の住所を知ってる?】
キンと凍てついた空気の早朝、まだ夜が明けきらない時間帯。私は成田に向かう車の中にいた。
運転しているのは由朗だ。
「奏士くんに会いに行くって本気? しかもアポなしで」
「アポイントは入れたわ。でも、返信がないだけ」
だから、この婚約というニュース自体、信憑性が低いのではないだろうか。
だけど、こうしてはいられないのも確かだ。
私は奏士さんの心を繋ぎとめなければならない。受け身でいては駄目だ。自立するより、社会人としてのスキルを磨くより、自分の気持ちを正直に伝え訴えることの方が何倍も大事なことだ。
【こんな知らせ送っておいてなんだけど、きっとデマだから気にしない方がいい。奏士くんは姉さんのことが好きだよ】
由朗から励ますメッセージが届く。私は由朗にメッセージを返した。
【奏士さんのアメリカの事務所の住所を知ってる?】
キンと凍てついた空気の早朝、まだ夜が明けきらない時間帯。私は成田に向かう車の中にいた。
運転しているのは由朗だ。
「奏士くんに会いに行くって本気? しかもアポなしで」
「アポイントは入れたわ。でも、返信がないだけ」



