「ギル、今帰り?」

「……あぁ」


 ギルバート・セダールントは、ただ今公爵邸から王都の王宮騎士団寮へ戻って来ていた。
 声をかけてきた男は伯爵家次男であるロバート。こいつとは同期であり同室である。


「デートはどうだった?」

「……デート?」

「王都に一緒に行ったんだろう?」

「ああ、言ったがあれは……デートなのか?」


 ロバートは何かを呟くと「ギル、聞くけど……」と話し出す。