どれくらいそこに、
・・そうして座り込んでたんだろう
「だから言ったんだっ!」
―?!!
なに?今の
大きな怒鳴り声が下から聞こえた。
2階まで聞こえるくらいのすごい声。
もしかして、凪、見つかった?
慌てて立つとそのまま階段を駆け下りていく。
大きな声はまだ続いてる。
リビングの方から聞こえる、
凪、今行くからね
てっきりそこに凪が居るもんだと思って入ったリビングには
さっきの凪の腕と目を持つ人が顔を俯かせ
カーペットに両膝を着いたままの恰好でいた。
その傍に立っている男の人。
この人・・キレイな顔してる
そしてその反対側には
年配者と思わせる男の人と女の人も居た。
女の人は泣いているみたいだ。
私がリビングに入って来たことに気づいていないらしく
その年配な男の人が俯いたままでいる凪の腕と目を持つ人に
「だから私は反対だったんだ!っったく、そんなになるまでっ、」
そう声を荒げている。
あ・・さっきから怒鳴っているのはこのおじさんか。
声を聴いて確信する。
なんで、そんなに大声を出しているんだろう?
そこに居るその人がなにか叱られることでもしたんだろうか?
下を向いたままでなにもしゃべろうとしないから
何で怒られているのかさえもわかんない。
すると、反対側に立つキレイな顔の男の人がその前に立ち塞がった。
「こいつだけを責めるのは間違ってんじゃね?」
綺麗な顔を歪ませてそんな事を言い出す。
一体なにを話してんだろ?
もう少し近くで話を聞こうとして体を乗り出した
「あんたたちが放棄しなきゃ、こいつだってもっと違う方法だって取れたんだ!」
「ひゃ」
その言葉はあまりにも大きくて
意表をつかれた私はつい声がでてしまった。
「―!」 「ぁ・・」 「!!!」
皆の視線が私に一斉に向く。
ただ一人俯いている人以外、そこに居る大人の人たちは私を見て
言葉を無くす。
「舞ちゃん」
綺麗な顔の男の人が私の名前を呼んだ。
この人、私のことを知ってる。
私は
この人のこと・・
知らない。
知らない?
「・・舞?」
今まで下に俯いてた凪の腕と目を持つ人が
私に気づいたらしく
その顔を上げた。
「――!!」
え
なんで?
この人
男の人なのに
泣いてる・・
でもそれは
その目は凪の目。
凪から奪った目から涙を流してる
なんだか
不思議なカンジ。
凪が泣いたの見たことない
だからなのか
とっても不思議。
「放棄もなにも、元々血の繋がりもなにも無い子じゃないか。」
?
「そうよ、凪だけじゃなくあなたまでもがなんでそこまでこの子にしなくてはいけないの?」
??
閉ざしてた口を一気に解放してその大人たちはまたわけのわからない話をしだす。
???
「もういいでしょ?!真里菜さんに引き取ってもらいなさい!」
付け加えるように
女の人がそう言った。
その名前
・・真里菜。
「―、っせぇ!、あんな女に舞を渡せるかっ!」
舞・・は私。
真里菜は・・
「ママ。」
「―!」
「え、舞?」
「ソレ、ママの名前。わかるよ、私。凪に教えてもらったもん。」
「・・」 「―」
「でも・・私が小さい頃に死んじゃったんだよね?」
「・・・」 「・・・」
「だから、私は凪と2人で暮らしてるんだもん。」
「・・」 「-・・」
「その凪がね、さっきから探してんだけどどこにも居ないんだよ?ねぇ、皆も一緒に探してよ。」
「舞・・」 「舞ちゃ・・」
なかなか動こうとしない人たちに苛立ちを覚え、ダンダンと床を足で蹴った。
「ねえ!早く!!」
「どこを探したって・・っ、」
え?なによ、おじさん
「やめ、」
「凪が居るワケないだろう!」
「―っ、」
は?
なんて言ったの?おじさん?
「もう死んでいるんだからなっ!」
「・・・」
ぇ?
「親父っ!!」
ぇ・・
親父?
ああ、おじさんは、この人のお父さんなのか。
じゃ、この人はおじさんのこどもってことだよね?
「水南斗っ、お父さんはあなたの事が心配なのよっ、」
おばさん・・は、
もしかして
水南斗って呼ばれたこの人のお母さん?
で?
なんでおじさんは凪のことを呼び捨てにしてるの?
それに
死んだのはママで
「凪じゃないよ?」
「―!」 「舞っ、」
「凪は死んでないよ?さっきまで一緒にいたから、
しゃべったし。笑ってたし。」
「それは凪さんじゃない。」
「え?」
「ここにいる水南斗だ。」
横から綺麗な顔の人がそんな事を言った。
「?私が凪を見間違えるワケないじゃない。
その人は、腕と目だけが凪なだけ。ね?」
にっこり♪
誰もしゃべらない。
そりゃそうよね
真実なんだから。



