そして2時限目が終わり、すぐさま、立ち上がって有紀ちゃんの元へ向かった
のに?
そこには既に有紀ちゃんの姿は無い。
「あれ?」
「どうしたの?」
有紀ちゃんの後ろの席の子がそう声をかけてきた。
「ああ、有紀ちゃんどこ行ったか知らない?」
「?榎本さんだったら、授業終わると同時に教室から出ていったよ?
あっちに行ったみたいだけど・・」
有紀ちゃんの席は廊下側だから、教室から出た後の行方ぐらいは見える場所だ。
私は軽くお礼を言って廊下に飛び出し、
その子が言った方向へと足を進めた。
「っったく、どこ行ったのよ~」
階段に続く廊下を曲がろうとした時だった。
「なによ、それで帰ってきたの?」
アレ?この声。
壁からチラッと顔を覗かせると
そこには間違いなく有紀ちゃんの姿があった。
だけど
その隣には
「情報少なすぎだろ、あんな強ぇなんて聞いてなかったし」
・・安藤くんも居た。
なんで、こんなとこで2人で話してんの?
「言ってなかったっけ?凪・・」
「わ!待て、榎本!」
「は?」
有紀ちゃんの言葉を遮った安藤くんはどうやら私の存在に気づいたらしい。
ていうか?
私の前ではしゃべれない事を話してたって事だよね?
それって。
すぐさま、私の方に向き直った有紀ちゃんは
「あ、ああ。どうしたの?舞?」
と美人な顔をひきつらせ笑う。
・・言えないんだ。
そう思うと、なんだか、無理して聞いちゃいけない事なんじゃないか?って
気を回してしまうのは私の悪いとこで。
「え?あ、・・あの有紀ちゃんに伝えるの忘れてた事があって。」
これまた顔をひきつらせて笑いかえす。
「ん?なに?」
次からはもうフツウの顔で聞いてくる有紀ちゃん。
毎度思うが、さすがだ。
「あ・・の、凪が今日家に来てほしいって。」
私は相変わらずグダグダだ。
でも、次の瞬間、
「え?凪さんが?」
思いっきり顔をひきつらせた。
??
「う・・ん。ダメ?」
どうしたの?
「いや・・ダメじゃないケド・・」
いつもは凪に会うの喜んでいたのに。
「じゃ、今日、一緒に帰ろうね。」
なんだか無理強いしてでも連れて帰りたくなった。
「え、あ、ああ。うん。」
よし。
「じゃ、私行くね。」
「え?あ、待ってよ、舞、私も教室戻る~」
気を利かせて1人でその場を去ろうとしたのに、有紀ちゃんはすぐ後を付いてくる
「安藤くん・・いいの?」
今のはちょっとした嫌味に聞こえただろうか。
「いいのいいの。」
そんな風には捉えていないらしい。有紀ちゃんは笑って手を横に振った。



