でも、おじさんの寝顔をまじまじと見続けていると…いろいろなことを思い出す。
昔、一緒に遊んでもらった楽しかった思い出、遠い日の記憶から。
他人から聞かされた、おじさんがこのような状態になるまでの悲しい出来事まで。
たまらず胸に込み上げてくるものがあった。
おじさんのお日様のような笑顔が、今でも頭に焼き付いている。
もう、その笑顔を見ることが出来ないのかと思うと……どうして、こんなことに?とやるせない。
すると、次に頭に浮かぶのが、黒い翼の彼の顔だ。
彼がおじさんにあんなことをしなければ…と、思わせるのも無理はない。
しかし、この感情から、生かして罪を償わせるのか殺すのか、生け捕りか復讐かのジレンマで、仲間内の方針、意見を別れさせた現実がある。
(復讐、か…)
菩提さんの復讐したい気持ちは、わからないわけじゃない。
でも…復讐を遂げたその後に何が残るのかと考えると、それは合理的ではないし、何の生産性もないと綾小路さんらは思うのだろう。



