俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


五島さんの勢いについつい乗せられて、軽々と了解の返事をしてしまったが、時間が経つにつれて段々と胸中に不安が募っていた。

ショーへの参加をお断りし続けているなずなを、俺が説得?

いや…いやいや。

彼氏だからって、あのなずなが俺のお願いを特別に聞くなんてあり得るのだろうか。

俺相手なら尚更、『は?伶士のくせに生意気なんだよ!』だなんて言われそう(…)。

ついつい気が大きくなっちゃってたよ。とほほ。



しかし、何故。

ヤツはお断りしたのだろう。女子にとっては名誉あることなのに…。



それに。

俺があのウェディングドレス姿を見てみたい。なんて。



……やはり、説得を試みて、何とかしなくてはならないのだ。





「……伶士、伶士!」

「はっ!……は、はい」

「何ボーッとしてんだよ。着いたぞ」

「あ、うん…」



ふと我に返ると、俺の隣には噂のなずながいた。

不満げに、俺をじっと睨みつけているようだ。

……いかんいかん。ただいま、待望の放課後デート中だった。デート中、並んで一緒に歩いているにも関わらず、ボーッとするなんて罪。罪だ。