もしもの未来にうっとりしてしまい、思わず「い、いいですね、これ…」と、呟いてしまった。
「でしょぉーっ?!」と、五島さんは元気に同意してくる。
と、ここで疑問が生じてくる。
俺…こんなの聞いてないぞ。なずなの口から、一言も!
後夜祭のファッションショーに出ること、何故言わない!
もし出ると聞いてたら、全力で写真撮るのに!忠晴の一眼レフ借りて!
……ではない。
「で、相談って何ですか…」
なずなが後夜祭のファッションショーに出ることに、何のご相談?俺に?
「そう、そこなのよ!」と、五島さんは引き続き元気に返答してくる。
……だが、その相談内容とは、切なもので。
なずなのショーモデルに盛り上がっているのは、周辺の連中だけだという結果だったのだ。
「オファーしたんだけど…なずぽよに断られちゃったのよ」
「え、えぇっ!こ、断った?!」
「なんかね?忙しいだとか、結婚前にウェディングドレス着たら嫁に行き遅れるとか、何だとかかんだとか……」
何をやってるのだ、ヤツは!
こんな素敵なウェディングドレスをお断り?!



