先程の横川さんと背丈は同じくらいでも、雰囲気、見た目は全く別。
前髪パッツンで前下がりという斬新なフォルムの黒髪のショートカットは、美少女というよりも個性全開な女子だ。
底無しに明るそうな感じは、どちらかと言えば美森にそっくりかも。
彼女は、三年一組の五島光希さんといって。
この高校の家政サークルの部長さん。
「え。五島じゃん。伶士知り合いだったの」
俺との繋がりが意外や意外だったのか、瞳真くんの大きい目はまん丸くなっている。
だよね。
「い、いや。今日初めて話すよ」
「えっ。もしや、お呼び出しって……」
「ち、違う違う!そんなんじゃない!」
本当に、愛の告白とか、そんなんではない。
実は、同じクラスの家政サークルの女子から、今朝話を持ちかけられたのだ。
『五島部長が、橘くんに折り入って相談とお願いしたいことがあるみたい。昼休み、時間取れないかって』
『え?ご相談?お願い?』
……この時点では、俺もひょっとしてとは思ったさ。
女子からのお呼び出しってだけで、最近の経験上構えてしまう。



