俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


瞳真くんは散々苦情を述べているようだが、無表情で淡々としているため、口ほどに嫌がっている感が伝わらない。

対する横川さんも、ただ「うふふ」と落ち着いて笑っているだけなので、口ほどにヤル気があるのかが不明。

変な二人。



「まあ、何なら?伶士殿と二人で上半身裸になる?」

「へ、へっ!」

「冗談よ?うふふ」



妖艶な視線を急に向けられ、ドキッとしてしまった。

そして、笑いかけられながら、彼女はそのままスッと去って行った。

神出鬼没系なのかな。



「ったく、おちおち気も抜けねえな。あの女わ」

「……」

瞳真くん…気も抜けないの?

どちらかと言えば、気が抜けてる時しかなくない?

なんて。思わず苦笑いを浮かべてしまった。



「……まあ、いいわ。ところで伶士、さっきから何度も聞いてるんだけど、何で三年のフロアにいんの?」

「あ、そうそう。それは……」



と、言い掛けた時。

今度は瞳真くんの背後から、その用事の相手が登場した。



「橘くん、ごめんねー!こっちから呼んだのに待たせて!」

「い、いえ」



……実は、三年のとある女子にお呼び出しを受けていたのである。