サンドイッチに伸ばした手を止めて、急速冷凍並みにカチーンと身体が固まる。
そのままの体勢で、首のみをぎこちなく動かして、恐る恐る玲於奈を見上げてしまった。
玲於奈は依然として、もさーっとしており、「ん?」と首を傾げている。
まるで日常会話のように、さりげなくブッ込まれたぞ?「おまえ昨日の課題やったよね?」みたいな!
バレてる……バレてるバレてるバレてる。
人には内緒にしていた(犬にはバレた)この最重要機密事項!
何で?何で?…何て言おう!
リアクションに困り、そのまま固まっていたが。
「あー…それ。僕も思ってました」
「はいぃっ?!」
小さく手を挙げながら、普っ通に笑顔で同意するのは、綾小路さんだ。
……え?!ここにも?
ここにもバレてるの?!
何で?!……何で!
ま、まさか。綾小路さんは実はぽめの言葉がわかっていて、で『内緒だけどよー?…』みたいに切り出され……!
「い、犬語わかるんですかっ?」
「え?犬語?何故?……もの凄い顔してますよ、伶士くん。あ、何故わかったかというと、僕は霊力の波動を自由に操れる能力を持ってまして」



