俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


《さっきの話だけど…奥の手はあるからね?》



言葉の通り、まだ何かを隠していそうな素振りで不気味に笑う、黒い翼の彼。

黒い翼の彼と、なずな…いや、俺たちの問題は、まだまだ続くのだ。

そう思うと、胸騒ぎがザワザワと止まらないのだった。



話が一区切りついたところで、「お腹空かない?」と、神威さんがお手製のサンドイッチやら唐揚げなどの軽食をテーブル席に持ってくる。

すると、先程まで張り詰めていた緊張感は幾分か柔らかくなっていた。

「わぁー!そーいやお腹すいたよー。いただきまーす」

「唐揚げ唐揚げ」

真っ先に食べ物に手を伸ばす美奈人と真凛を目の前で眺めていると、美奈人が「伶士殿も食えよ!」と、勧めてくる。

なら、遠慮なく頂こうと思った、その時。

まだ俺の傍に立っていた玲於奈が「そーいや…」と、俺の方を向きながら呟いていた。



「そーいや、伶士クン」

「え?は、はい」

「【夢殿】覚醒してますよネ?」

「……はっ!」



今、なんつった?

このもさ男、何て言った!!



……最重要機密事項、バレてるとな!!