その様子を見ていると、車のドアが開き、中から何人かスーツ姿の大人の男性が出て来た。
だが、知ってる顔の人達で、思わず「あっ」と声を洩らす。
すると、向こうも気付いたようで、ぶんぶんと手を振ってくるのだった。
「伶士くーん!」
「あ、綾小路さん!」
以前お世話になった、警察の特別班、超常現象調査室の綾小路さん。
助手席から降りて来たのは風祭さんで、こっちにペコリと頭を下げている。
後部座席から降りて来たのは…顔を知らない、初めての人だ。二十代半ばぐらいの青年。
誰?
あの二人といるから、警察の人なんだろうか。
すると、横でぽめが「わん!」と吠える。
なるみだ、なるみ!
たぶん、あのまぞくのコアをひきとりにきたぞ。
「へ……」
犬から情報教えてもらうって、何。
ぽめの知り合いか?
じゃなくて。
いやいや、そうだ。
綾小路室長らの来訪の目的、あの拾得物の回収であった。