「だから、あの二人にもこの感情に気付いてほしーなぁ。ってのが俺の思いではあるけど。……でも人それぞれだからなぁ」
「美奈人もどちらかと言えばラブアンドピースな性格してるからね」
「哲太、言うなぁおい」
ちょうど美奈人の背後に位置した場所にいるカウンター席では、川越さんが涼しげな笑みを浮かべて笑っていた。
眼鏡も一層涼しげで。
「俺はラブアンドピースな性格ではないけど…でも、この件に関しては美奈人に賛成」
「おぉ!」
「俺も剣軌には『復讐』と名付けた殺しはやめてほしいと思ってる。それに…剣軌ならよからぬ事を企てていそうで怖い。そんな事、一刻も早く辞めさせたい」
「それは哲太と剣軌が似た物同士だからわかることなのかぃ?」
「そういうことだね」
菩提さんが企てるよからぬ事?想像が出来ない…。
あの裏の裏をかく掃討作戦を企画することが出来るぐらいだ。どんな恐ろしい物なのか。
みんな、あの二人のことを思っている。
力になりたい、どうにかしたいと思ってるんだ。
そう辿り着くと、俺はどうするべきか。なんて考えてしまう。



