「言われてみればそーかもねぇー。なず姉、ダーリンには敢えてそんな話しなさそう」
真凛は、俺の答えに妙に納得していた。
「ほぉ、真凛ちゃん。そのこころは?」
「なず姉、意地っ張りで見栄っ張りで負けず嫌いだから」
よくわかってるじゃねえか。
だが、玲於奈は身長差で俺を見下ろしたまま、話を続ける。
「では、何か言ってたらすぐ教えてクダサイ。たくろークンに。どんな些細なことでもいいデス」
「は、はぁ…」
「『内緒だけど…』って言われていても、教えてクダサイよ?こっちは死活問題なんですカラ。なずなサンとボスの。……優サンが命よりも大事にしている娘と弟子デス。『殺し』に手を染めさせるなんて、優サンが望んでいるわけないデショウ。あんなラブアンドピースな御方が」
「はぁ…」
「ホントにホントに絶対デスヨ。秘密はダメですヨ」
「は、はぁ…」
し、しつこいな。
…しかし、それほど玲於奈は必死なのだ。
あの二人が道を踏み外さないようにするために。
「何なら、ボクのスマホ番号教えマスカ」
「玲於奈、身長差で威圧しないの」
綾小路さん、さすがわかってくれましたか。



