俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


背が高い上に、俺座っているもんだから、見上げるのに首が痛くなる高低差だ。

やだ…妙な威圧感、十分なんですけど。

やめい。もさ男のもっさりとした威圧感。

前髪から覗くその細い瞳は、しっかりと俺を捉えていて、その返答を急かしているような気がした。

なずなは復讐について、何か言っていなかったのか?早く言え!なんて。

その変な威圧感に動揺を誘われつつ、俺は口を開く。



「いえ…あの。正直…なずなとはそんな話をしたことがありません。なので、そこはなんとも…」



このピリッとした空気感の中、慎重に言葉を探して返答する。

玲於奈が「本当デスカ」と、変な威圧をかけながら問い返してくるので、苦笑いが出そうになった。



「いや、本当。ホントです…二人の時はそんな話を全くしないので、皆さん以下の認識かと…」



これは、ホントの話。

あの黒い翼の彼の話どころか、なずなの陰陽師の仕事のことや、こっちのことがどうなっているのかすらも話さない。

復讐のことだって、会話から取れる断片的なセリフから、もしや…と、何となく予想しては不安になっているだけであって。

本当に、ここにいるみんな以下の認識だと思う。