俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


そして、呪いから解放されても、長年寝たきりで体力の奪われたおじさんに待っているのは……死だ。

あの黒い翼の彼を手にかけたところで、元気なおじさんが戻ってくるわけじゃない。

…それならば、あの黒い翼の彼には生きてもらって、出来る限りの罪を償わせる。

それが、この長かった戦いに心の区切りを付けられる方法なのだと解釈したのだ。

ここにいる、おじさんという大切な人を奪われた仲間たちだけではない。

あの黒い翼の彼と関わった、すべての人たちにとって。



だが、そんな仲間らを出し抜くかのように、『怨恨』という、自分の素直な感情に従って思うがままに事を成そうと密かに動いている。

その後に何が待ち受けているのかも、気に留めずに。



「……剣軌くんのことですから、周りが見えてないだけではないと思います。考えて考えて葛藤して、からの出した答えだと思うんですが…」

「……」

確かに。あの冷静沈着な策士である菩提さんが、敢えての感情的な行動を取ろうとしてるだなんて。

それならなおタチが悪いだろう。