やはり…半人半魔は、あくまでも人間。
そういう認識でいる。
そして、度々出てくる『和羅』という人物については認識していた。
夢の中でおじさんと一緒にいた、眼鏡にスーツを着たサラリーマン風の男性。恐らくあの人だ。
音宮のおじさん同様、みんなに厚く信頼されていたのだろう。陰陽師の次期総帥というぐらいだ。
すると、向かいに座っていた美奈人が「和羅おじさんは、俺の叔父さんなんだ」と打ち明けたことにハッと驚く。
殺されたというあの人は、美奈人の身内だったのか…?
「僕をはじめ、ここにいる皆誰もが、優さんと和羅さんの二人に助けてもらったことがあり、支えられ、道を照らして貰った者ばかりで、感謝は尽きないほど。そんなお二人を奪うだなんて……本音を言えば、殺してやりたい。それほど憎いですよ。許されない」
「……」
殺してやりたいほど憎い。
こんな穏やかな人から、そんな物騒な言葉が出てくるなんて。
垣間見えた感情と少しばかりの威圧に、言葉を失ってしまう。
…でも、人の命を、意識を奪うということはそれほど罪なのだ。
人を最も容易く修羅に変えることが出来る程の…罪深き、仕打ち。



