俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


やはり…半人半魔は、あくまでも人間。

そういう認識でいる。



そして、度々出てくる『和羅』という人物については認識していた。

夢の中でおじさんと一緒にいた、眼鏡にスーツを着たサラリーマン風の男性。恐らくあの人だ。

音宮のおじさん同様、みんなに厚く信頼されていたのだろう。陰陽師の次期総帥というぐらいだ。



すると、向かいに座っていた美奈人が「和羅おじさんは、俺の叔父さんなんだ」と打ち明けたことにハッと驚く。

殺されたというあの人は、美奈人の身内だったのか…?




「僕をはじめ、ここにいる皆誰もが、優さんと和羅さんの二人に助けてもらったことがあり、支えられ、道を照らして貰った者ばかりで、感謝は尽きないほど。そんなお二人を奪うだなんて……本音を言えば、殺してやりたい。それほど憎いですよ。許されない」

「……」



殺してやりたいほど憎い。

こんな穏やかな人から、そんな物騒な言葉が出てくるなんて。

垣間見えた感情と少しばかりの威圧に、言葉を失ってしまう。

…でも、人の命を、意識を奪うということはそれほど罪なのだ。

人を最も容易く修羅に変えることが出来る程の…罪深き、仕打ち。