俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


「橘くん、だいぶ前の話になるけど…君がここでリグ・ヴェーダと接触し、撃退した直後の俺たちのやり取り、聞いてるよね?」

「やりとり……」



こちらからもズバリと言われて戸惑ったが…俺は感付いてしまった。



…それは、紛れもなく、あの時のことを言っているんだろう。

黒い翼の彼に接触された際、神威さんと駆け付けた真凛、喚び出された豹牙が、彼と魔族と対峙し、撃退した時のこと。

そして、その直後のやり取り。

ハンバーグ…ではなくて。




《私達は何も奪われず、あいつを殺る。ただそれだけだから》

《なずな…何度も言ってるけど、リグ・ヴェーダは人間だ》

《いいか?ヤツはあくまでも生け捕りで確保だ》

《皆とそう方針を固めて確認し合ってるだろ》




「……ひょっとして、彼を殺るのか生け捕りかの意見の相違があったことですか」




間違いなく、この事だろう。わざわざピックアップして議題に出すこととしたら。

これに関してだけは、俺も違和感があった。

……まさか、仲間同士で意見が違えているなんて。