俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


ヤツはちょっと困ってるようだ。頭の奥底の記憶を掘り返しているに違いない。

困って悩んでるその様子を見守るのも……楽しい。



「ほらほら。何か言うこと。無いのか?」

「あ、あの……ま、待て!」



そう言いながら、横目でこっちの表情を伺っているようだ。



「えーと……」

「ほら、何だ?」

「……ただいま。……かな?」



かな?って。正解も不正解もないんだっつーの。何でお伺いたてるんだよ。

そう思ったら、思わずプッと失笑してしまった。




……君が、ここにいる。




「……おかえり」




何にも代え難い、その有り難さに嬉しくなってしまって、自然と笑みが溢れた。

嬉しくて、思わず両腕を広げる。




「ばっ!ばか!こんなところで」

「え?何?俺に会えて嬉しくなかったわけ?」

「……嬉しいってっ」



ボソッと言葉を残し、腕の中に飛び込んでくる。空港のあの時のように。

飛び込んできた体を捕まえるように、離さないようにギュッと抱き締めた。

再び、温かいぬくもりが、胸に。

戻ってきた……。