やば。余計なことまで思い出させてしまった。
追及、どうやって逃れようか。考えとかないと……。
「っていうか、護衛は豆大福に任せてもう引退すれば?」
「引退っ?!何故私が引退せねばならない?……おまえぇぇぇ!」
「だって、護衛として俺の傍にいるの?カノジョとして俺の傍にいるの?どっち?」
「そっ、それはっ……両方だぞ、やかましい!こんの屁理屈おぼっちゃま!」
「へぇ?両方」
「そっ……そ、そうだけど」
「じゃあ、カノジョのなずな。……帰ってきたら、俺になんか言うことないの?」
「へっ?」
俺にそんな話を吹っ掛けられたなずなは、しばらくキョトンとしたのち、「えーと……」と真剣に考え込んでいた。
いや、何の覚えもないはずだし、約束とかもないはずだ。
言うこと何かないか?なんて、俺の言ったこの言葉は特に何の意味もないんだけど。
サプライズだかお返しだか知らんが、こんな散々待たせておいて、よくもツラッと帰ってきやがったな?何かひとこと言えよ。……なんていう、俺の意地悪なお返し?
お返しのお返し?みたいな。
「あ、あの……うーん」



