俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


やば。余計なことまで思い出させてしまった。

追及、どうやって逃れようか。考えとかないと……。



「っていうか、護衛は豆大福に任せてもう引退すれば?」

「引退っ?!何故私が引退せねばならない?……おまえぇぇぇ!」

「だって、護衛として俺の傍にいるの?カノジョとして俺の傍にいるの?どっち?」

「そっ、それはっ……両方だぞ、やかましい!こんの屁理屈おぼっちゃま!」

「へぇ?両方」

「そっ……そ、そうだけど」

「じゃあ、カノジョのなずな。……帰ってきたら、俺になんか言うことないの?」

「へっ?」



俺にそんな話を吹っ掛けられたなずなは、しばらくキョトンとしたのち、「えーと……」と真剣に考え込んでいた。

いや、何の覚えもないはずだし、約束とかもないはずだ。

言うこと何かないか?なんて、俺の言ったこの言葉は特に何の意味もないんだけど。

サプライズだかお返しだか知らんが、こんな散々待たせておいて、よくもツラッと帰ってきやがったな?何かひとこと言えよ。……なんていう、俺の意地悪なお返し?

お返しのお返し?みたいな。



「あ、あの……うーん」