そして、彼等だけではない。
「いらっしゃいませ!…よく来てくれたね」
カウンターには咲哉さんもいて、その奥の部屋から姿を現したのは、ここのオーナーの神威さんだった。
揃った面子を一瞥する。
これ、何の集まり…?
きょとんと立ち尽くしていると、背後にある店のドアがバタン!とけたたましく開いた。
あまりにも大きな音で、反射で体がビクッとする。
鈴の音もグラグラと乱暴に鳴り響いていた。
「おっつかれー!間に合った?間に合った?」
「ぶふぁー。星天高校からニケツでチャリ爆コギ。さすが俺、スポーツマン!」
「全然間に合ってマスヨ」
俺より数分遅れでペンタグラムに飛び込んできたのは、真凛と何故か息が上がっている美奈人だった。
いや、こんなにもゼーゼーハーハーしてるのは、言葉の通り、真凛を乗せてチャリ爆コギしてきたからだろう。
「み、水…」と、へたへたとなだれ込んで椅子に座る美奈人の前には、咲哉さんがすかさず水の入ったコップを差し出していた。



