俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜



「……おい、おまえ」

『……へっ?!』



電話の向こうのなずなから、ビックリした声が聞こえる。

無理もない。今の俺の声、相当座ってるのだろう。

今、ちょっと頭にきてる。

不器用ななずなにも、鈍感な俺にも。



「……おまえ、今。言ったな……?」

『へっ?な、何をっ……』

「……俺に。俺に会いたいと言ったな?……そうだよな?」

『はっ?な、何だよ!……いや、そうだけど』



俺が凄んだからか、なずなの涙は一旦止まったようだ。代わりにあわあわとして声が高くなってるけど。



「フライトは何時……」

『えっ……』

「フィリピンへの!フライト、何時!」

『え、あ……15:30だけど』

「じゃあ、余裕」

『へ?』



不器用なずなにも、不甲斐ない俺自身にもブチギレた俺。

これから、勢いでとんでもないことを宣言する。

普段キレないヤツがキレると……こうだ。



「おまえが俺に会いたいっていうなら。今から会いに行ってやる……!」

『……』



しーんと、静寂が訪れた。



『……は?声低くして、今から何を脅迫してくるのかと思いきや。今から私に会いに来る?……頭、壊れたか!』