俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


なずなが母親との再会をこんなにも不安に思ってるなんて、何で想像しなかった?!

そりゃ、そうだろう。離れている娘に一度も会いに行かずに、他に男を連れて出て行った母親を。

母親はなずなを連れて行きたかったのかもしれないけど……結果、なずなを置いて出て行ったんだ。

なずなが母親の思いを知るわけがない。直接会って、直接別れを告げたわけではないのだから。



そして、そんな母親との再会への不安に押し潰されそうになって……それで、今。

溜まってたまらず、俺に電話をかけてきた。



(……)



俺の不安は、杞憂だった。

杞憂どころか、ただの気持ち悪いネガティブ妄想だった。

……ではない。



《だ、だからっ、伶士の声っ、聞きたくてっ……》



……こんなにも必要とされていて、俺はいったい何をやっていたんだ。

くだらん妄想でしょぼーんとしていて。




《あいたくてっ……》




……ああぁぁっ!もう!

何でこいつ、こんなに不器用なんだよ!



俺の声を聞くこと、会いたいって思うこと、我慢する必要、あるか?!

そんな些細なことで崩れ落ちそうになるプライドなど……捨ててしまえ!

……俺の前では。