俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


「ん?」



忠晴に指摘されて気付いた。

ソファーにちょい置きしていたスマホがブルブル震えていて、画面がピカピカ光っている。

誰だ誰だ。

御堂さんだったら無視するよ。



……だが、着信の相手は、無視しては決していけない相手だった。



(……はっ!)



ウインドウに記された名前を見て、驚きのあまり息が詰まりそうになる。

それは、待ちくたびれて……でも、諦めきれない相手。



「も、も、もしもしっ!もしもし!」



慌てて電話に出るなり、吃ってしまった。

気持ちが逸るのは、ちょっと許してほしい。

電話越しでも俺の勢いに圧倒されたのか、ヤツは……なずなはしばらく黙っていたが。



『れ、伶士……わ、私だ……』



久々に耳にしたその声に、安堵したのは言うまでもない。



「なずな、おまえ……」



『私だ』だってよ。私私詐欺、相変わらずだな?

あまりの変わらなさぶりに、吹いてしまいそうになった。

しかし、いつものように偉そうな口調ではなく、声に張りがなくて弱々しい。気持ち、震えてるような。