だから、ネガティブモードに頭が支配されて、そんな事実を頭の隅に追いやっていた俺が気付くはずもない。
この音信不通は、なずなの性格ゆえに引き起こされているということも……。
ゴロゴロ続行していると、奥からパタパタとスリッパの足音が聞こえてきた。
忠晴だ。
「おや、伶士さま。やることなくてゴロゴロしてるのですか。こんな朝っぱらから」
「……うーん。録画たまってたペンチャンも昨日のうちに全部見ちゃったし。今日、何もすることないから、庭の草刈り手伝うかな」
「使用人のお手伝いはおやめください。では、お茶にしませんか」
「使用人だなんて言い方、やめろよ……。お茶、飲む飲む」
そうして、咲哉さんレシピ忠晴お手製のヨーグルトドリンクを頂戴する。
10時のおやつ?いや、まだ10時になってないけど。
飲み物だけ頂戴します、なんて。
「うまい。ペンタグラムのヨーグルトドリンクの味。……ねぇ、忠晴。お昼何?草刈りいつ始まるの?」
「やる事がないって切ないですね、伶士さま。朝食さっき食べたばかりなのに、もうお昼の話ですか?……おや。スマホ鳴ってますよ?」



