LINEしたって既読すらつかないし、直接電話したって出なかったり、電源そのものすら入ってなかったりした。
そんなにバタバタしてるんだろうか。
それとも……もう、フィリピンに行ってしまってるんだろうか。
どちらにしろ、連絡のひとつもないこの事態は、俺にとっては十二分にダメージだった。
忙しいとはいえ、経過報告のひとつもないなんて、ヤツにとっての俺の存在はどれだけか、なんて。
少しも頼りにされていない。俺自身の存在が、ヤツの心の中で占める割合が限りなく少ないのでは、とか。
そんな現実を思い知らされる。
やはり、よからぬ予感は的中していたのではないかと。
……ぽめの言う通り、一方通行かよ。
(はあぁぁ……)
なんて情けない。
ネガティブモードまっしぐらで、リビングのソファーでゴロゴロ。
溜め息も実際出ちゃった。
……なずなに放って置かれて、こんなにもショボンとしている俺なのだが。
俺はこの時、少し忘れかけていたようだ。
なずなというヤツは、意地っ張りの見栄っ張りで。
スーパー負けず嫌い女である、ということを。



