でも、なずなの境遇からして、そう考えるのか妥当だろ。
そう考えるのが……。
(……)
……会えなくなるのが、怖い。
それが、俺の本音。正直な気持ちだったりする。
その不安を、『信じてる』だとか『ずっと待ってる』とかいう強気なセリフに置き換えて、俺は意地を張っていただけなのかもしれない。
ただの強がり……。
気付かされた自分の小さな器に、溜め息が出そうになった。
『信じてる』『ずっと待ってる』
このセリフに、嘘偽りはないんだけどな……。
ワンコロに軽く説教された後、忠晴のお迎えが来たので、みんなを残してペンタグラムを出ることになる。
《おらたちはてんかいかえるけど、またあおうな!おらたちはそうるめいとだぞ!》と、白もふ犬コロと別れを惜しんで(?)その場を後にした。
犬とソウルメイトって……。
ーーーそれから、時だけが経っていく。
例年より、少し気温の高い今年の北国の夏。
なずなにあれだけ一緒に見に行こうと言っていた花火大会も、いつの間にか終わっていた。



