なずながどう思ってるかなんて会ってねえもん、わかるか!
だが、そう言い捨てた俺に、ぽめは首をこてっと傾げる。
……不覚にも、その小首を傾げる動作が可愛いと思ってしまった。
キュンとしてもうた……!
じゃあ、なんでれえしどのは、なずながかあさんとくらしたいっておもってるとおもったんだ?
……は?
なずなが母親と暮らしたいと思ってる、そう俺が思ったのは何故か?
だって、母親に甘えたいそんな時期に、陰陽師小学校に入って別々に暮らしていて、ずっとずっと母親に会ってなかったんだぞ?
その上、なずなが小学生の時に母親は出て行ったんだぞ?
大人の事情とはいえ、会いたくても会えなくて……そりゃ、会いたかったに決まってるだろうが。
俺の返答を聞いて、ぽめはまた「キューン」と唸って、そのウルウルとしたつぶらな瞳で俺を見つめながら、さっきとは反対の方向に首をこてっと傾げる。
くっ……また、キュンとさせる!
それ、れいしどのがかってにそうおもってるだけだろ。
いやいや。それは、そんな過酷な境遇に置かれたら、大体の人はそう思うわけで……。
それは……。



