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海路と陸路を使ってのハイエース一台の道中は、数日もかからず京都に到着したそうだ。

京都に到着したそこは、既におじさんの葬儀の準備で慌ただしくなっていた。

葬儀の準備と平行して、なずなと菩提さんはお偉い方への挨拶をはじめ、マントラ殲滅の件や、『冥王の血液』の件などで聞き取りを受けることになる。

総本山の登録者ではない玲於奈と風祭さんが二人と一緒にいた時間は、葬儀の最中のごく僅かだったらしい。

殆ど別行動で、二人は何もすることがなく、ほぼおじさんの遺体の傍にいたようだ。いつかの俺と同じ……。



弔問には、たくさんの人が訪れた。

陰陽師のお偉いさんから同僚、後輩まで。その数は途切れることなく。おじさんが生前、どれだけ慕われていたかがわかる。

おじさんの母と姉とも合流した。……つまり、なずなの祖母と叔母か。祖母も叔母も日本舞踊の師範だそうだ。

ちなみにおじさんの父、なずなの祖父は、おじさんが小学生の時に亡くなっているそうだ。

祖父はおじさんの前の音宮家当主、陰陽師。おじさんが小さい頃に両親は離婚しており、おじさんは父方に引き取られ、陰陽師となった。という話。