俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


こうして二人でのんびりと寄り添って。

二人でただ、綺麗な空を見上げることが出来るなんて、やっぱり至福の贅沢だなと思った。

一緒に、そばにいる。二人だけの平和なひととき。

その事実を認識できる、尊い時間だ。



……これが、嵐の前の静けさだとは、思いたくない。



「……今日、何してんの」



空を見上げたままの、鼻の高い整った横顔を見て、問い掛ける。

「ん?」と、こっちを見て目が合う。



「今日は学校終わったらすぐ、剣軌と二人で依頼先回ってくる予定なんだ。帰りは夜中になりそう」

「……そうか」

「ひょっとして部活休みだった?ごめん」

「いや、明日も休みだけど」

「あ。明日なら私も依頼入ってないからいーぞ」

「わ、わかった」



そうして、貴重な明日の約束を取り付けて、手を振り合って別れ、互いの教室へと入る。

約束を取り付けられたことは嬉しいのだけど、やっぱり…なんて、少し気が沈む感覚もあった。

スマホを開いて、その気落ちの原因となったメールの画面を確認するように見る。