《あんたがいつまでも見守ってくれてるって、ここの霞んだ空を見上げて都合良く勝手にあんたを思うよ》




……おじさんの逝く瞬間。

屋上に集まったみんなは、星空を見上げて何を思ったのだろうか。



一人、その場で空を仰ぐ。

建物、電線の隙間から覗く、夜の空を。



地に近いこの低い位置からは、街灯に邪魔されて多少ぼやけてはいるが。

本日は晴れていたからか、散りばめられた星がよく見える空だった。



……この星空を見上げて、みんなはどんな想いを抱えたのか?



切なさ、悲しみはもちろん。その先を想った人もいると思う。

菩提さんのように、前を向いて生きると決意した人もいただろうか。

それぞれ、想いはある。

絶望を感じた人も……いるんだろうか。



絶望?……それは、おじさんは望んでいないだろうな。

逆に、おじさんが知ったら悲しんじゃうと思うよ。



だから……出来るだけ、多くの人が前を向けるように。

希望を持って、これからも前に進めるように。

今だけはみんなで悲しんで、想いを共有して。

これからも、笑っていられるように。

……これは、パパ太夫の粋な計らいだ。