明日の夜、今依頼で名寄にいる菩提さんが、帰りのその足で我が家に迎えに来るらしい。
もう、帰っちゃうのか。まだいればいいのに。
…と、思うが、どうやら休んでいた分の仕事が溜まっているようで。
すぐに戦線復帰するらしい。
大丈夫なのか。
正直…寂しいな。
夜が。
…あ、いえいえ。
けれど、あの時…昨年、依頼を終えて立ち去った時に比べたら、全然平気かも。
同じ屋根の下にいなくとも、これで俺たちの関係が終わるわけじゃないし。
学校で毎日会えるし。
ほら、予定が合えば、二人で会ったり、なずなの家にも行こうかなんて。
これから、もっともっと楽しい、幸せな日々が待っている。
そう思えば、なんて事はないのだ。
俺たちの未来は、明るい。
絶対に。
……だけど。
本当に何も無くて、平穏な日々を過ごしていたから、忘れかけていた。
実際のところ。
問題は、まだ終わってはいない。
おじさんと、黒い翼の彼のこと。
復讐?……の、こと。
それを改めて思い出される事が待ち受けているなんて。
今の俺には、想像出来なかった。



