4、5人パパ太夫に抱きついて、おいおいと嘆いている。
この人たちは……ああ、パパ太夫の店の女の子。もとい、男の子?か?
病室で見かけなかったのは、この嘆きっぷりからして間に合わなかったのだろう。
しかし、おっさんの嘆く声はとてもうるさい。
人目も憚らずおいおいと素直に泣く女の子(男の子?)たちに、パパ太夫は一喝した。
「あんた達、静かにしな!お見送りぐらい静かにしてやれ!」
「ママぁぁ!で、でもっ……でもぉぉっ!」
「今、ここで泣くんじゃない!こんなんじゃ優が安心して成仏出来ないだろうが!優は人の笑顔が好きなんだ。笑って見送って欲しいに決まってるだろう!だから泣くんじゃない!」
「うわああぁぁんっ!」
「優ぅぅぅっ!」
しかし、泣くなと言われると、ますます泣いてしまうのが人の心というもの。
パパ太夫の言葉を聞いて、ますます嘆く子もいた。
「やれやれ。仕方ないですねぇ?flowerの子たちはみんな優さんダイスキでしたから」
「はぁ……」
俺の隣にいた綾小路さんは、その動物園のような光景を目にして苦笑いをしていた。



