俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


「何かしてやれることは、全部してやるよ。そして、絶対戻ってこい。ずっと待ってるから」



思いが滲み出るかのように、抱きしめる腕に力を込める。

ギュッときつく抱きしめると、再び胸に顔をこてんと埋めて頷いていた。



「……うん」



預けてくれた思いと体は、温かい。



乗り越えられるように、祈ってる。想ってるから。




「っていうか、絶対帰って来るよ。だって……肉」

「ん?」

「……肉。肉忘れんなよ?!私が帰ってきたら、速攻で食いに行くからな?!」

「……」



……あ、ああ。ショー参加の見返りですか?

こんな状況でも忘れてないとか、こんな状況なのにそんなセリフ吐いちゃうとか、どんな根性してるんだ……。

そんなセリフを吐きながらも、俺の胸に顔を埋めたままでいるあたり、後ろめたさあんの?



元々の、元気で可愛いヤツの姿を見られる日も、そう遠くはあるまい。




『絶対帰って来るよ』




それに……『また明日』が言えなくても。

その言葉が、約束があれば、今の俺には十分。




ふと触れた手には温度が戻っていた。

一度繋いだその手は……もう二度と離さない。