「向こうで親父を見送ってくる……あと、いろいろあるから、しばらく向こうにいることになるかも……」
「……そっか」
今回の件は、たぶん総本山サイドも把握しているのだろう。
おじさんの件を含めて、黒い翼の彼の末路も……菩提さんが規律を破っていたことも。
そっちの話はよくわからないけど、後始末が大変なのかもしれない。
いつ、帰ってくるんだ?
……なんて、この言い方じゃ、なずなにもわからないのだろう。
だから……。
「じゃあ、俺はここで待ってる」
ーーー『また明日』と、言えない。
でも……自分の明日に繋がりを求めなくても、今の俺たちは大丈夫なような気がした。
だから、俺はここで待ってる。
おまえのことを、想ってる。
……信じてる。
「伶士……」
「いろんなこと、ちゃんとして戻ってこいよ?ずっと、待ってるから……行ってこい」
……今は、辛いかもしれない。
でも、ケジメをつけて、これから前を向いて歩いていけるように。
この先に待っているだろう、幸せを掴むために。
前に進むために、背中を押してやる。



