俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


今は、悲しいだろう。

寂しいのは当たり前。



でも……それは、ずっとじゃない。



おまえが一人でずっと寂しい思いをさせないように、みんながそばにいる。

俺も、含めて。

俺の胸の中で静かに泣く、なずなの小さい頭をそっと撫でながら、そんなことを念じるように思っていた。




……だが、泣いていたと思ったら。




「……聞きたいことは、たくさんあるんだけどさぁ」

「……え」



そう言うと同時に、なずなはバッと顔を上げて、じっと俺の顔を見る。

涙でぐちゃぐちゃにになった目は、キッと俺を睨みつけるかのよう。



「聞きたいことって……」

「何で親父が奇跡的に目を覚ましたのかとか。……で、何で都合良く当主継承されて私が神力使えるようになってんだ」

「そ、それは……よかったね」



すると、なずなの顔が急にクワッ!となる。



「よかったね?!……じゃねえよ!いったいどういうことなんだって聞きたいんだよ!親父は体力的にもう二度と目が覚めないって言われてたんだぞ。こんな都合のいい奇跡的な展開、あるか!」

「いや、日頃の行い……」

「何?何そのはぐらかし方!……伶士のくせに!」