俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


さっきまでしかと開いていた目は、だんだんと閉まりかけては開いての繰り返しとなっていた。

呼吸も静かに浅いものになっていく。

顔色も先程と比べたら悪いし、モニターのアラームも忙しくなっていて、そのうち先生と看護師さんも病室にやってきた。



とうとう訪れる……最期の時。

それは、この場にある誰もがわかっていた。




「優……」



ベッドサイドで様子を見守っていた親父が、ふと呼び掛けていた。

名前を呼ばれたおじさんは、視線のみ親父に向ける。



「ごめん、ごめんな……前からずっと謝らなきゃいけないと思っていた」



らしくない弱気な発言は、聞いている方も戸惑ってしまう。

普段、自信満々に伸ばしている親父の背筋は、今だけ小さく丸まっているような気がした。



「俺のせいで……俺のせいで、若い年頃の時期に、こんな土地に来させられて、住み込みでボディガードだなんてやらされてよ?おまえには陰陽師として総本山に留まって、もっとやりたいことがあったろうに、俺のせいで……」



肩を落として、親父は一人勝手に呟いていた。