おじさんにまさかの事実を告げられたヤツは、変な雄叫びをあげては、驚愕の表情で俺の方へと振り向いた。
おじさん、喋っちゃった……なんて、苦笑いをしてしまったのは言うまでもない。
「れ、伶士ぃぃっ!何で私の許可なくアレを見せる……!何をしてるんだぁぁっ!」
「おいおい。おまえのことだ。許可申請したってなかなか降りないだろうよ……」
「え、可愛かったよ?……まるで、未来先取りしたみたいで、得したよ……俺の、可愛いなずな、世界一……」
「ち、ちょっと、世界一って……」
「へー!なずな、学校祭でモデルやったのか?どれ、見せてくれ!」
「私も見たいなー」
「み、水口さんに奥様まで……」
「柊斗さんには、瞳真くんの戦国武将コスプレ姿の写真見せるね」
「コスプレ?何をやってんだアイツは……」
「瞳真……おっきくなったね」
横たわるおじさんを囲んで、写真を見せながら話をして、笑って。
菩提さんや親父たちも昔の話をおじさんに聞かせては、笑って。
限られた人達だけで過ごす、このひとときは。
静かに過ぎていた。
でも……おじさんの口数が、どんどん少なくなっていく。



