おじさんは、愛情深く優しい。
全ての人に分け隔てなく与えた、今までのこの愛情がここで返されているんだろうと、思った。
皆んなを愛して、皆んなに愛される。
おじさんは……素敵な人だ。
このような人と関わり合えたことを、誇りに思った瞬間だった。
「ははっ……幸せだなぁ、俺……」
先程までのように体は起こしておらず、頭を枕に深く預けたおじさんは、笑って呟く。
さっきよりも声に張りがないし、明らかに辛そうで、弱っているのは一目瞭然だった。
「みんな、傍にいてくれるって……大好きなみんなに見守られて、幸せだなぁ……」
「親父……みんな、いるよ。傍にいるから。離れてたって、みんな親父のこと思ってるよ。おばあ様も……」
直ぐ傍で寄り添っているなずなは、おじさんの手をギュッと握る。
一生懸命声をかけるなずなに、おじさんはまた微笑むのだった。
「……ホント、幸せ。なずなのウェディングドレス姿も見れたし……」
「……は?」
「ね?……伶士?学校祭でモデルやったって……見せてもらっちゃった」
「は?は?……ええぇぇ!」



