俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


その音は、俺たちに緊張感さえ与えるのだ。



三年間ずっと寝たきりだったおじさんには……この身体ではもう、生命を維持する体力が残されていない。

そんなおじさんの様子、笑顔で誤魔化されてしまうが……実は顔色は悪い。土気色で、呼吸も浅くて苦しそうにしている。

こうして、目を覚まして会話が出来てること自体が、本当に奇跡で。

おじさんの言った通り。

もう、長くはないのだ……。



「心配するな。一通り連絡してきたぞ」



そこに現れたのは、スマホを手に持った親父だった。

姿を見せなかったと思ったら、おじさんが目を覚ましたことを、……そして、もう長くはないことを親しい人達に連絡していたのだろう。

突然やってきた最期のために。

親父の後ろには、白衣姿のおっさんもいる。恐らく、病院の先生。



「士朗……ありがと」

「もう、諦めていたのにまさか……まさか、おまえと最期に話が出来るなんて……」



そう言った親父の顔は、少しばかりか歪んでいる。今にも泣きそうだ。

こんな顔する親父、見たことない。





ーーそれから。

この病室には、入れ替わり立ち替わり、いろいろな人が訪れた。