俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜



なずなが……なずなが今、戦っている。

俺の選択した未来通りに、動いている。

大事なものを護る、その為に。



そう思うと、拳に力が入る。



……なずな。信じてるから。

絶対、ここに戻ってくることを。



「てなわけで……玲於奈お願い」

「エ」



おじさんは俺の頭を撫でながら、玲於奈の方を見る。玲於奈は相変わらず、立ち振る舞いもっさりだけど。



「南三条東五丁目。……サブロクから一本中に入ったところにある、ライブハウス『ワズント』。今は廃墟だけど……」

「そ、ソレは……!」

「……なずなと剣軌はそこにいる。お願い、二人を迎えに行ってあげて」

「モチロンですって!……いってきマス!」



途端に玲於奈は病室を飛び出して行く。

目を見開いて必死そうな、前髪の向こうのその表情がチラリと見えた。



「それと、拓狼……みんなに連絡してくれるかな」

「へ?みんなって……」

「俺……たぶん、もう長くない」

「えっ……」



……そう。

おじさんが目を覚ましたことは、喜ばしいことなのだけど。



話に夢中だったかもしれないが、さっきから医療機器のアラームがピコピコと音を立てている。

おじさんが目を覚ましてから、ずっと。