俺のボディガードは陰陽師。〜第六幕・相の証明〜


《いくつかの夢を見て、その選択権を与えられる。…未来は【夢殿】の思うまま》



そんなのは、嘘だった。

全てを完璧に思うがままなんて。

何から何まで『運命』に抗いきることは、やっぱり……無理なのだと思う。



すると、自分の力の限界を感じて肩を落としていると、またふわっと頭を撫でられる。

おじさんの手だ。



「……いや、ある意味ハッピーエンドだと思うよ?」

「え……?」



おじさんの言っていることの意味がわからず、混惑して首を傾げる。

返ってきたのは、まず、笑顔だった。



「彼の本当の望みは……こういうことだったんだと思う……だから、ある意味ハッピーエンド」

「こういうことって……死ぬことが?!」



おじさんは頷く。



「彼は……世界消滅云々を掲げておきながらも、実は生きていることに限界を感じていたんだと思うよ。いずれはこうなる『運命』だったんだと思う」

「そんな……」

「……それをわかっていながら、それを気付かせてあげられなかった、俺にも非があるんだけど……」

まるで悔いるかのように、おじさんの声が少し弱くなった。