そんな葛藤を抱きながら、自分が何をしたいのかがわからなくなっていた。
俺の生きている意味とは……何。
魔界の果てしなく広大な大地で一人、考えるも誰が何を教えてくれるわけでもない。
もちろん、答えなんか出るはずもなかった。
……ただ、願望混じりの幻想を見る。
俺たちの掲げた『目的』を果たせば、ひょっとしたら。
ひょっとしたら、先に逝ってしまった彼女が現れるんじゃないか?待っていてくれるんじゃないかと。
一人でもその目的を果たそうと、魔界で兵隊を拵えた。
傍観していた魔界の戦乱。敗退しボロボロとなった連中に甘い事を吹き込めば、すぐ手を貸してくれた。魔族はチョロい。
そうして、人間界に戻って以前と同じ事を試みるが……やはり、彼女がいないと上手くはいかない。
拵えた兵隊は、再び立ち塞がった奴らの手であっという間に消し去られてしまった。
結局……彼女あっての『目的』なのだ。
彼女が現れるはずも、待っているはずもなかった。
彼女が待っている場所とは……もう、ひとつしかない。
そうして、計画が頓挫した俺に残ったのは。
生きている負い目だけだった。



